.


昔飼ってた兎は

目がクリっとしてて
毛色が栗みたいだから
「くりくり」と呼ばれてました。

可愛いくりくりは
お庭でお散歩させると

池の周りで
タンポポを食べたり

井戸の周りでチロチロ
漏れている水を舐めたり


本当に


本当に


可愛かったんです。


木陰で日向ぼっこする姿は

この世の生き物とは
思えない位の愛らしさでした。


くりくりがいるだけで
私は、癒やされました。


そんなある日の事です。


くりくりは
ご飯を食べなくなりました。


お母さんに言うと「五月病だろ」


と言われ励まされました。


それでも私は心配で
くりくりに、ご飯を
食べて貰えるように


野菜やラビットフードに
味付けをしたりと
工夫を凝らしました。


けれどくりくりは
食べてくれませんでした。


母が寄り合いで
不在のその日、私は
フランクフルト食べながら

ゲージの中にいる
くりくりに話しかけました。


「ご飯食べないと死んじゃうぞ」


するとくりくりが
急に激しく暴れ始めました。



飛んで跳ねて
唸って体当たりして...



私は、そんなくりくりを
見たのは初めてだったので、

食べかけの
フランクフルトを
床に落としてしまう程に


動揺しました。


もう、病院に連れて
行くしかないと思い

急いで貯金箱から
お小遣いを取り出し
くりくりをゲージから出して、

獣医さんに行こうと
外に踏み出したその時…



ピョーン




くりくりは
私の腕から飛び降り―


さっき、驚きのあまり
私が落としてしまった
フランクフルトに飛びつきました。



「ンがっふぶッ
ふぅっふがっ!!モサモサ!!」



ん、 あれ?




―…可愛いくりくりは


―池の周りの
タンポポが大好きで…―


―くりくりは…

この世の生き物とは
思えない位の愛らしさで…―


―くりくりは…


くりくりは…



くりくりは…


くりくり…















.
.
.
.


!!




翌日

くりくりは

何だか強そうで
どこか野性味溢れる


グリモラスラモエルモス

と、
あのサッカー選手の様な
素敵な名前に改名されました。


そして私は、どんな
グリモラスラモエルモスでも
愛していく覚悟を決めました。




だって、大切な
家族には変わりないから…




.

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